【簡単ルール解説】ゴールラインドロップアウトの成立条件について

ラグビーの知識(ルール•コーチングなど)

こんにちは、Big L(ビッグエル)です。

コンタクトスポーツのラグビーは、プレイヤーの安全確保のために度々ルールの見直しが行われます。

今回紹介する『ゴールラインドロップアウト』もその中の1つで、2022年の6月から適用されています。

私もコーチとレフリーを両方行っていますが、いまだに以前からある『22mドロップアウト』とルールが混同している人もいるのでこの記事を書きました。

本記事は

初心者ラガー
初心者ラガー
  • 『ゴールラインドロップアウト』って何?
  • 適用される3つのケースとは?
  • 『ゴールラインドロップアウト』の導入で何が変わる?

そのような悩みを解決します。

Big L
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ぜひ最後までお付き合いください!

 



『ゴールラインドロップアウト』とは?

ゴールラインドロップアウトとは

ゴールラインより自陣インゴール側から、ドロップキックにより試合を再開する方法

のことです(下図参照)

参考資料:2023年競技規則

このルールは、2022年8月から適用が開始された比較的新しいルールです。

ゴールラインドロップアウトの導入によってボールをキャッチする側が有利になる可能性が出てきたり、ゲーム中の停止時間が短くなり、よりスピーディーなゲーム展開が見込めます。

このあとゴールラインドロップアウトが適用されるケースなどについて詳しく解説していきます。

まだまだ通常の自陣22mラインからのドロップアウトと混同している人も多いと思うので、本記事を通してしっかり理解していただけると嬉しいです。

適用される3つの成立条件について

ゴールラインドロップアウトが適用されるケースは以下の3つになります。

  1. アタック側の敵陣インゴールへのグラウンディングをディフェンス側がヘルドボールにする。
  2. アタック側がキックまたはチャージ等で敵陣インゴールへ持ち込んだボールをグラウンディングまたはデッドにする。
  3. アタック側の敵陣インゴール内でのノックオン

以下でそれぞれ解説します。

アタック側の敵陣インゴールへのグラウンディングをディフェンス側がヘルドボールにする。

まず1つ目のケースはアタック側がグラウンディング(トライを試みてボールを地面につける行為)をディフェンス側に阻止された場合です。

具体的にはディフェンスしているプレイヤーがボールキャリアを抱きかかえながら倒れ、地面とボールの間に体を入れてグラウンディングをさせないようにすることが多いです。

アタック側がキックまたはチャージ等で敵陣インゴールへ持ち込んだボールをグラウンディングまたはデッドにする。

2つ目のケースはアタックのプレイヤーがキックまたはチャージ(キックを体の一部に当てて前進するのを防ぐ行為)をしたボールがインゴールに入り、そのボールをディフェンスプレイヤーがグラウンディングしたり、タッチインゴールラインまたはデッドラインに蹴り出したりした場合に適用されます。

ゴールラインドロップアウト導入直後は、チャージなどによる敵陣インゴールへの持ち込みについては適用の対象外でしたが、途中でルールに追記されました。

アタック側の敵陣インゴール内でのノックオン

3つ目のケースはアタック側のボールキャリアがトライを狙ってグラウンディングを試みた時に「インゴール内」でノックオンをした場合に適用されます(インゴールの手前でノックオンをして、インゴールにボールが入った場合は適用外)

ゴールラインドロップアウトの導入で何が変わる?

これまでゴールラインドロップアウトが適用されるケースについて説明してきました。

では、このルールの導入によってラグビーのゲームの流れにどう影響してくるのでしょうか?

私なりの考えも踏まえながら以下で解説していきます。

アタック側が有利になる

以前までは、アタック側によって蹴り込まれたボールをグラウンディングした場合は22mライン地点からのドロップアウトからの再開でした。

この場合、キックのスキルが高いキッカーがいると敵陣まで蹴り戻されてしまい、得点が入る場面が少なくなってしまいます。

また、ゴールラインドロップアウト導入前までは、インゴールでヘルドボールとなった場合はスクラムが組まれていました。

スクラムはディフェンス側が有利になることが多く、アタック側のチャンスを損なう要因となっていました。

ゴールラインドロップアウトの導入により、キックされたボールをキャッチしたチームのアタックのチャンスが増加することが期待されています。

ゲームのストップ時間が短くなり、ゲームがより楽しくなる

以前のルールによるゲームの再開方法は

  1. ヘルドボール:アタック側のスクラム再開
  2. 相手が敵陣インゴールへ持ち込んだボールのグラウンディング:ディフェンス側の22mドロップアウト
  3. アタック側の敵陣インゴールのノックオン:相手側のマイボールスクラム

でしたが、ゴールラインドロップアウトの導入により、1と3のケースにおいてはスクラムを組むまでの時間がなくなり、よりスピーディーなゲーム展開が見込めます。

また、2のケースにおいても以前の22mドロップアウトではなくゴールラインドロップアウトとすることで、ディフェンス側はボールを展開させることとキックを利用して陣地を挽回させるメリットの方が大きくなり、さらにボールの動くゲームになる可能性が高まるのです。

まとめ

それでは、今回の内容をまとめていきましょう。

ゴールラインドロップアウトとは

ゴールラインより自陣インゴール側から、ドロップキックにより試合を再開する方法

のことです。

適用される3つのケースは

  1. アタック側の敵陣インゴールへのグラウンディングをディフェンス側がヘルドボールにする。
  2. アタック側がキックまたはチャージ等で敵陣インゴールへ持ち込んだボールをグラウンディングまたはデッドにする。
  3. アタック側の敵陣インゴール内でのノックオン

となっています。

ゴールラインドロップアウトの導入により

  • アタック側が有利になる場面が多くなる
  • ゲームのストップ時間が短くなり、ゲームがより楽しくなる

ことが期待されています。

プレイヤーの皆さんはぜひこの知識をプレーに活かしてみてください。

また、この記事の内容が観戦をする上での参考になれば幸いです。

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