こんにちは、Big L(ビッグエル)です!
2023年3月に、ラグビーの国際統括団体であるワールドラグビー(World Rugby)より、プレイヤーの安全の確保の観点から『タックルの高さに関する試験的な取り組み』を推奨する通達が出されました。
日本国内においても試験的なガイドラインが作成されたので解説したいと思います。
この記事では
- 『試験的ガイドライン』ってどんな内容?
- 適用される年齢層は?
- 試合での基準を教えて!
そんな悩みを解決します!
ぜひ最後まで読んで、時代の流れに取り残されないようにしましょう。
それではよろしくお願いします!
試験的ガイドラインの内容
ガイドラインで示されている内容は以下の通りです。
参考資料:JRFU『タックルの高さに関する試験的ガイドラインの導入について』より引用
- 胸骨の位置へのタックルはハイタックルでペナルティキックとする。
- 最初のコンタクトの位置は胸骨より下であったが、ずり上がって最終的にコンタクトの位置が胸骨より上になった場合、ペナルティキックになる可能性がある。
- 複数でタックルする際は、ファーストタックラー(最初にタックルをする人)同様に胸骨より下へタックルしなければならない。
胸骨とは下の写真の部位(赤で示されている部分)であり、胸骨より下へのタックルおよびコンタクトが禁じられるということなので、今後は低い位置へのタックルスキルとフィジカルが求められるでしょう。
ガイドライン導入の目的
日本ラグビーフットボール協会のターゲットとして
プレイヤーの安全を守り、『誰でも、いつでも、どこでも楽しめるラグビー社会の実現』
を目的に本ガイドラインが作成されています。
タックルの位置を胸骨より下へ設定することによって、頭部へのコンタクトの頻度は減少することが期待できます。
脳震盪や頭頸部の外傷が減り、より安全性が担保されるようになってラグビーの普及につながることが理想ですね。
これは私の考えになりますが、胸骨より下へのタックルを推奨していくことに伴って、下肢へのタックルの頻度が増えることが想定されます。
現在もNGであるノーバインドで足首を狙ったタックルが多くなるなど、別の部位の怪我が増える可能性もあると思います。
このような点からもルールの改正に伴い、安全を最優先したレフリングやコーチングが求められてくるでしょう。
導入の経緯
以下のデータにより、タックルの高さを低くすることで、脳震盪が大幅に軽減されることがわかっているようです。
参考資料:JRFU『タックルの高さに関する試験的ガイドラインの導入について』より引用
- タックルエリアに起因する脳震盪の割合:74%
- タックルエリアでの脳震盪の内、タックラーに関係する割合:約70%
- タックラーの頭が胸骨より上にあるときの脳震盪が起こるリスク:通常のタックル時の4.2倍
- 研究によると、タックルの高さを低くすることで、脳震盪が大幅に軽減されることがわかっている
- フランスでの試験実施結果:頭同士が衝突するケースが64%減少、実際の脳震盪は23%減少
以上のデータからも、タックルの高さが高いほど脳震盪を引き起こすリスクが高まるということがわかります。
また、実際にタックルを胸骨より低くする試験実施を行った結果、脳震盪が発生するリスクが減少したことを示しています。
対象のカテゴリーは?
対象のカテゴリーは
リーグワン(日本の社会人トップカテゴリー)を除く、全てのカテゴリー
【対象:ミニ(小学生)、ジュニア(中学生)、高校、大学、社会人、クラブ】
となっています。
判定のプロセス
下の写真は、実際にガイドラインで示されているゲームでの判定プロセス(どのような基準でルールとして適用するかを示したもの)となります。
写真が見にくい場合は実際のガイドラインをご覧ください。
実際のガイドラインはこちらをクリック
個人的に気になったところは、プロセス2つ目です。
胸部より上にタックルをした場合、ファウルプレーかどうか(ペナルティにするかどうか)はレフリーの判断に委ねられています。
おそらくタックルをする際のコンタクトの強度などを考慮してこのプロセスが設定されていると思うのですが、ゲーム序盤で基準を示なければ許容ラインがわからなくなって、選手や観衆がフラストレーションをためる原因を作ってしまうことに繋がっていくのではないかと感じました。
レフリーは日本協会が示した『タックルの高さを低くすることで、頭部への衝撃を軽減させる』という目的がブレないように、ゲームを運用してほしいですね!
私もレフリーをしているので、意識していきたいです!
ガイドライン実践後のQ&A(2023年8月17日追記)
各地域のチームサイドとレフリーでガイドラインを導入したすり合わせが行われています。
その際にでた疑問や質問をこのブログでもQ&A形式で回答していきたいと思います。
参考にしてください。
Q1.どのような状況で多く発生するの?
主にセカンドタックラーでよくハイタックルが取られている傾向があるよ!
Q2.胸骨より上の位置へのコンテストであれば全てペナルティの対象になるの?
ガイドライン導入の目的はヘッドコンタクトを減らすこと。よって、胸骨より上へのコンテストにヘッドコンタクトを誘発する可能性がある『インパクト(衝撃)』があるとレフリーが認めた場合にペナライズの対象となる可能性があるよ!
Q3.『受け止める』『引き倒す』なども胸骨より上であればペナライズの対象となるの?
胸骨より上の部位で、受け止めたり、引き倒したとレフリーが判断した場合はペナルティの対象外になるらしいよ!
タックル直前にボールキャリアが急に頭を下げたりしたときに、胸骨より上にコンテストした場合はどう?
タックル直前にボールキャリアが急に頭を下げたり、ボールキャリアがステップをきるなどして方向変換した直後のタックルが胸骨より上であった場合はペナルティにならない可能性もあるよ(危険度が高いタックルについてはペナライズの可能性はある)
後方からのタックルの場合はどう?
後方からのタックルの場合も胸骨より上の位置で、インパクトがあってヘッドコンタクトが起こる可能性があると判断された場合はハイタックルの対象となる可能性があるよ!
まとめ
それでは、今回の内容をまとめていきます。
2023年3月、ラグビーの国際統括団体であるワールドラグビー(World Rugby)より、プレイヤーの安全の確保の観点から『タックルの高さに関する試験的な取り組み』を推奨する通達が出されました。
その内容は
参考資料:JRFU『タックルの高さに関する試験的ガイドラインの導入について』より引用
- 胸骨の位置へのタックルはハイタックルでペナルティキックとする。
- 最初のコンタクトの位置は胸骨より下であったが、ずり上がって最終的にコンタクトの位置が胸骨になった場合、ペナルティキックになる可能性がある。
- 複数でタックルする際は、ファーストタックラー(最初にタックルをする人)同様に胸骨より下へタックルしなければならない。
というもの。
これに準じて日本協会でも
プレイヤーの安全を守り、『誰でも、いつでも、どこでも楽しめるラグビー社会の実現』
を目的に本ガイドラインが設定されました。
対象のカテゴリーは
リーグワン(日本の社会人トップカテゴリー)を除く、全てのカテゴリー
【対象:ミニ(小学生)、ジュニア(中学生)、高校、大学、社会人、クラブ】
となっています。
ガイドラインが各地域で実践され、その時に出てきた疑問や質問(Q&A)も追記しましたのでご確認ください。
今後いろいろな指導法や効果的なテクニックが出てくると思いますが、日本協会が示している『誰でも、いつでも、どこでも楽しめるラグビー社会の実現』を目指すという目的がブレないようなものであって欲しいと思っています。
今回は以上となります。
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それでは、また!
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